高齢者が家で過ごす時間は、季節や体調によって長くなりがちです。雨の日や暑い日、寒い日でも、室内の遊びや趣味があれば、一日にちょっとした楽しみと張りが生まれます。
この記事では、高齢者が家で楽しめる室内の遊びを、ひとりで楽しむもの、家族や友人と楽しむもの、座ったまま体を動かすものに分けてご紹介します。一人暮らしの方が毎日を楽しく過ごすためのヒントもまとめました。
高齢者の室内遊びを選ぶポイント
- 好きなこと、得意だったことから。 昔やっていた趣味は、始めるハードルが低く、思い出話にもつながります。
- 短い時間でも楽しめること。 10分、15分で区切れるものは、疲れにくく続けやすいです。
- 手や指を使うこと。 折り紙や編み物など、手を動かす遊びは集中しやすく、達成感もあります。
- 目や体に負担が少ないこと。 文字や図柄が大きく、明るい場所でできるものを選びましょう。
- 人とつながるきっかけになること。 作ったものを見せる、結果を話すだけでも会話が生まれます。
ひとりで楽しめる室内の遊びと趣味
パズル・脳トレ
ナンプレ、漢字パズル、クロスワード、間違い探しなどは、ひとりで黙々と楽しめる定番です。文字の大きな本を選ぶと目が疲れにくくなります。印刷して使える無料の脳トレプリントもあります。いろいろなアイデアは高齢者の脳トレ:家で楽しめる簡単なアイデア集でご紹介しています。
塗り絵・なぞり書き
大人向けの塗り絵は、色を選ぶ楽しさがあり、完成した作品を飾る喜びもあります。名文や俳句をなぞって書くなぞり書き、写経なども、静かに集中できる時間になります。
折り紙
鶴や季節の飾りなど、手を動かしながら形が仕上がっていく楽しさがあります。お孫さんに折り方を教えるのも素敵な交流です。
編み物・手芸
マフラーやコースター、小物づくりなど、少しずつ形になっていく趣味は、毎日の楽しみになります。完成したものを家族に贈るのも喜ばれます。
プランターで育てる
ベランダや窓辺のプランターで、ハーブやミニトマト、季節の草花を育ててみましょう。水やりや芽の成長を見るのが、毎朝の小さな楽しみになります。
音楽・歌
昔よく聴いた歌謡曲や童謡を流して口ずさむ、ラジオを聴く、カラオケで一曲歌う。音楽は気分転換にぴったりです。
写真の整理・アルバムづくり
押し入れにしまったままの写真を整理して、アルバムにまとめてみましょう。写真の裏に日付や場所、一緒に写っている人の名前を書き添えていくと、懐かしい思い出がよみがえります。完成したアルバムは、家族との会話のきっかけにもなります。
読書・朗読
文字の大きな本や、好きな作家の短編を少しずつ読むのもよい過ごし方です。気に入った文章を声に出して読む朗読は、目と口と耳を同時に使い、気持ちも晴れやかになります。
家族や友人と楽しむ室内ゲーム
人と一緒に遊ぶ時間は、会話と笑いが生まれる大切な時間です。
- トランプ。 ババ抜き、七並べ、神経衰弱など、ルールを知っている人が多く、すぐに始められます。
- 花札・かるた。 お正月だけでなく、ふだんの遊びとしても楽しめます。百人一首は読み手を交代すると盛り上がります。
- 将棋・囲碁・オセロ。 じっくり考える時間を楽しめます。オセロはルールが簡単で、お孫さんとも対戦できます。
- しりとり・なぞなぞ。 道具がいらず、どこでもできます。テーマを決めると難しさを調整できます。
- 思い出クイズ。 昔の写真を見せて「これはどこ?」「誰と行った?」と出し合います。
季節を感じる室内の遊び
季節の行事にちなんだ遊びを取り入れると、毎月の楽しみが増えます。
| 季節 | 室内遊びの例 |
|---|---|
| 春 | 桜の塗り絵、ひな祭りの折り紙、春の歌を歌う |
| 夏 | うちわに絵を描く、七夕の短冊づくり、夏の思い出話 |
| 秋 | 紅葉の貼り絵、月見だんごづくり、読書 |
| 冬 | 年賀状づくり、福笑い、かるたや百人一首 |
カレンダーに季節の行事を書き込んでおくと、「来月は何を作ろう」と先の楽しみもできます。作った飾りを部屋に飾れば、季節の移り変わりも感じられます。
座ったままできる体を動かす遊び
室内で過ごす時間が長いときこそ、体も動かしましょう。厚生労働省の身体活動・運動の推進のページでは、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」として高齢者向けの推奨事項も公開されています。
- 椅子に座っての体操。 足踏み、かかとの上げ下げ、肩回しなど、テレビを見ながらでもできます。
- 手遊び。 グーとパーを左右で交互に出す、指を順番に折るなど、ちょっと頭も使う遊びです。
- タオル体操。 タオルの両端を持って腕を上げ下げしたり、体をひねったりします。
- 風船バレー。 家族と座ったまま風船を打ち合うと、自然と笑いがこぼれます。
体調に不安がある方は、無理をせず、かかりつけ医に相談してから始めてください。
一人暮らしの「暇つぶし」を毎日の楽しみに
一人暮らしだと、時間を持て余してしまう日もあるかもしれません。そんなときは、次のような工夫で一日にリズムをつくってみましょう。
- 一日の予定をゆるく決める。 朝は体操、午前は趣味、午後は散歩や買い物、夜は日記など。
- 人と話す時間をつくる。 家族や友人と電話の曜日を決めておくと、お互いに安心です。
- 地域の集まりに参加してみる。 公民館の教室や、地域の通いの場、趣味のサークルなど、身近な場所で人と会う機会があります。厚生労働省の地域包括ケアシステムのページでも、高齢者の社会参加について紹介されています。お住まいの地域の情報は、市区町村や地域包括支援センターで聞くことができます。
- 小さな目標をつくる。 「今月はマフラーを一本編む」「この本を読み終える」など。
スマホやタブレットで楽しむ
スマホやタブレットがあれば、写真を見返したり、家族とビデオ通話をしたり、ゲームや脳トレを楽しんだりと、室内での楽しみがさらに広がります。文字が大きく、操作が簡単なアプリを選ぶのがコツです。選び方は高齢者向け脳トレアプリの選び方でまとめています。
たとえばSilverMindは、高齢の方のために作られたiPhone・iPad向けの脳トレアプリです。大きな文字と大きなボタンで時間に追われることなく、毎日3つのトレーニングを約6分で楽しめます。連続記録や自己ベストが残るので、「今日もやった」という小さな達成感が、一人の時間のちょっとした張り合いになるかもしれません。
まとめ
高齢者の室内遊びは、パズルや手芸のようにひとりで楽しめるものから、トランプや将棋のように人と楽しむもの、椅子に座ってできる体操まで、さまざまです。好きなことを少しずつ組み合わせて、家で過ごす時間を楽しい時間にしていきましょう。元気がない、何にも興味を示さなくなったなど、気になる変化が続くときは、ひとりで抱え込まずに相談してください。



