高齢の親と一緒にできることは、3つに分けて考えると選びやすくなります。一緒にすること(家の味を作る、トランプ、近場のお出かけ)、離れていても分かち合えること(電話で同じパズルを解く)、そして次に会うまでの間に親がひとりで楽しめること(朝のパズル、散歩、地域の集まり)です。新しい計画より、親がもともと好きなことから始めましょう。
目的は、すべての時間を埋めることではありません。1週間の中に楽しみにできることがいくつかあり、一緒に過ごす時間が、がんばらなくても自然に楽しくなること。それで十分です。
まず、親に何がしたいか聞いてみる
親のために計画を立てても、本人に聞いていないことはよくあります。お茶を飲みながら、気軽に聞いてみてください。
- 「最近、やりたくてもできていないことはある?」
- 「もう一度行ってみたい場所はある?」
- 「誰かが車を出してくれたら、どこへ行きたい?」
- 「ずっと片付けたい、作りたいと思っていることはある?」
そのうえで、選んでもらいます。「土曜日は庭と写真の整理、どっちにする?」と聞けば、親は自分で考え出さなくても決められます。
家で一緒にできること
準備がいらず、体力に合わせやすいものです。
- 家の味を一緒に作る。 親の得意料理を教えてもらいます。作りながら、作り方を書き留めておきましょう。
- 写真を整理する。 箱ひとつ、あるいは10年分だけを選び、お気に入りをアルバムに。裏に名前と年を書きます。
- 慣れたゲームをする。 トランプ、花札、将棋、囲碁、オセロ。
- 並んでパズルを解く。 お盆の上でジグソーパズル、新聞のクロスワードを読み上げながら。
- 庭いじり。 球根を植える、鉢花の手入れ、窓辺でハーブを育てる。
- 古い映画やドラマを見て話す。 「最初に見たのはいつ?誰と行ったの?」と聞いてみます。
- 直す、作る。 がたつく棚、小さな巣箱、マフラー。
- 若いころの音楽を聴く。 親に曲を選んでもらい、その歌にまつわる話を聞きます。
帰省や訪問をもっと楽しく
帰省は、つい用事だけで終わってしまいがちです。簡単な形を決めておくと過ごしやすくなります。
- 一緒にする楽しみをひとつ持っていく。 新しいパズル、レシピ、スマホの中の写真、歩いてみたい道。
- 親が手伝ってほしい用事をひとつ片付ける。 自分が必要だと思う用事ではなく、親が頼みたいことを。
- 次の楽しみを残していく。 印刷したパズル、次に話したい質問のメモ、飾るための写真。
年末年始やお盆の帰省のアイデアは、高齢者と過ごす年末年始でも紹介しています。
孫と一緒に
短くて、やることがはっきりしている遊びが向いています。トランプ、お菓子作り、「昔はどうやってたの?」と教えてもらう時間、近くの公園への散歩などです。しりとりやなぞなぞも、世代を問わず盛り上がります。
電話やビデオ通話でできること
たまの長電話より、決まった時間の短い電話の方が続けやすいものです。毎回小さな話題があると、「体の調子はどう?」だけの電話になりません。
- 同じパズルを解く。 同じ文字さがしやクロスワードを二人分印刷して、答え合わせをします。
- 今週の質問。 「最初に乗った車は?」「小学校の仲良しは誰?」。答えを書き留めていくと、家族の歴史になります。
- ビデオ通話で一緒に料理。 スマホを立てかけて、親のレシピを自分の台所で作ります。
- 読み聞かせ。 本の一章、新聞の記事、昔の友人からの手紙。
- 見せ合い。 孫の絵、庭の花の写真、習いたての歌。
スマホやタブレットを使いやすくする方法は、高齢の親にアプリをプレゼントするにはでまとめています。
近場のお出かけ
なじみがあって、行く時間帯に混んでおらず、座る場所とトイレがあるところを選びます。
- 園芸店や道の駅、帰りに喫茶店でひと休み
- 昔住んでいた家、通った学校、勤め先のあたりをドライブ
- 平日の昼間の映画館や、図書館の講座
- 季節の花が見られる公園のベンチでお弁当
- 以前通っていたお寺や神社、地域のお祭り、合唱の発表会
お出かけは1時間か2時間にとどめ、帰ったら休めるようにします。歩くのが大変なら、景色のよい道をドライブして、お茶を飲むだけでも立派なお出かけです。
親がひとりで楽しめること
会えない日の過ごし方も同じくらい大切です。親の1日に合った、ひとりの楽しみをいくつか一緒に考えてみましょう。
- 朝ごはんのあとのパズル。
- 毎日の散歩。 決まった道で、ご近所の人やお店の前を通るとなおよいです。
- 決まった時間のラジオ番組。
- 進み具合が見える趣味。 編み物、絵手紙、プラモデル、プランターの野菜。
- 週1回の集まりや教室。 公民館の講座、老人クラブ、地域のサロン、合唱、囲碁クラブ。
- 自分史を書く。 週に1ページ、家族のために思い出を書きためます。
家で楽しめる趣味は、高齢者が家で楽しめる室内の遊びと趣味にたくさんあります。
体力に合わせて選ぶ
体力は1日の中でも、週によっても変わります。目安は次のとおりです。
| 体力 | 向いていること |
|---|---|
| 元気な日 | お出かけ、庭いじり、一緒に料理、新しい教室 |
| ふつうの日 | トランプ、パズル、写真の整理、短い散歩 |
| 疲れている日 | 音楽、古い映画、ビデオ通話、読み聞かせ |
疲れている日は、並んでお茶を飲むだけでも、立派な一緒の時間です。
印刷して使えるもの
SilverMindの印刷用プリントは大きな文字で答え付きなので、電話や帰省のときに便利です。
- ひらがな文字さがし:花と自然、ひらがな文字さがし:食べもの。電話で「離れて一緒に」解くのにぴったりです。
- ことわざを完成させよう、ことばの並べかえ。言葉が好きな親に。
- 次はどの数? 数のならび、お買い物の計算。数字が得意だった親に。
- 仲間はずれはどれ?、まちがいさがし:5つのちがい。気軽に数分楽しめます。
- おぼえて書こう:言葉の記憶、点つなぎ:1から25まで。朝のちょっとしたパズルに。
手作りのアイデアも。
- 今週のカレンダー。 来客、電話、集まり、お出かけを大きな枠に書いて冷蔵庫に貼れば、楽しみが目に見えます。
- 写真カード。 写真1枚の裏に「これはどこ?」と質問を書き、次の電話の話題にします。
- レシピカード。 家の料理を1枚ずつ一緒に書いていけば、小さなレシピ帳になります。
SilverMindについて(私たちのアプリ)
私たちはSilverMindというiPhone・iPad向けアプリを作っています。高齢の方のための穏やかな28種類のエクササイズがあり、大きな文字、大きなボタン、広告なしで、時間制限のないエクササイズも多くあります。1日3つ、約6分の短いメニューは、朝のお茶の時間のひとり習慣になります。言葉や昔の話が好きな親には、ミニクロスワード、ことばの輪、お話の記憶、昭和から平成の歌や暮らしを振り返るなつかしクイズが人気で、なつかしクイズは電話の話題づくりにもなります。日本語に対応しており、ブラウザ版もsilvermind.app/playで使えます。SilverMindプレミアムは7日間の無料体験から始められます。
アプリは楽しみのひとつにすぎず、家族と過ごす時間の代わりにはなりません。
変化に気づいたら
好きだったことを楽しまなくなった、混乱している、元気がない、身の回りのことが難しくなったなどの変化に気づいたら、やさしく話を聞いて、かかりつけ医への相談を勧めてください。原因はいろいろあり、治療できるものもあります。
まとめ
高齢の親と一緒にできることで、いちばん良いのは親自身が選んだことです。帰省のときには一緒の楽しみをひとつ持っていき、電話には小さなゲームや質問を添え、なじみのある場所へ短く出かけ、ひとりで楽しめることをいくつか一緒に整えましょう。予定がぎっしり詰まった週より、楽しみがいくつかある穏やかな週の方が、ずっと価値があります。
参考情報
- あなたはひとりじゃない - 政府の孤独・孤立対策による相談窓口の案内
- 厚生労働省 - 高齢者の暮らしと介護に関する公的な情報
- 国立長寿医療研究センター - 高齢者の医療と健康に関する情報


