脳トレアプリは、高齢の方が自宅で気軽に頭を使う時間をつくるのに便利な道具です。ただ、アプリストアには似たような脳トレアプリがたくさん並んでいて、文字が小さい、広告が多い、制限時間に追われるなど、高齢者には使いにくいものも少なくありません。
この記事では、高齢者向けの脳トレアプリを選ぶときに確認したいポイントと、iPhoneやiPadを見やすく設定するコツ、ご家族が勧めるときの工夫をまとめました。
脳トレアプリを使うメリット
紙のドリルや本と比べて、アプリには次のような良さがあります。
- 思い立ったらすぐできる。 数分のすき間時間に取り組めます。
- 難しさが自動で変わる。 腕前に合わせて問題を調整してくれるアプリが多く、「簡単すぎる」「難しすぎる」を避けやすくなります。
- 記録が残る。 続けた日数や自己ベストがわかると、励みになります。
- いろいろな種類がある。 記憶、計算、言葉、注意力などを1つのアプリで試せます。
一方で、効果について過大な期待はしないことも大切です。脳トレの研究結果はまちまちで、練習した課題は上達しやすいものの、日常生活全体への広がりは限られるとされています。「認知症予防」をうたうアプリもありますが、アプリで認知症を防げることは証明されていません。楽しく頭を使う習慣のひとつ、と考えるのがちょうどよいでしょう。
脳トレアプリ選びのチェックポイント
高齢の方が使うことを考えると、次の点を確かめておくと失敗が少なくなります。
| チェック項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 文字とボタン | 老眼でも読める大きさか、指で押しやすいか |
| 画面のわかりやすさ | 1画面に情報が詰め込まれていないか |
| 時間のプレッシャー | 制限時間やカウントダウンで急かされないか |
| 広告 | 広告なしで使えるか、誤タップしやすい広告がないか |
| 料金 | 無料の範囲、月額・年額、買い切りの違いが明確か |
| 難しさの調整 | 腕前に合わせて問題が変わるか |
| 言語 | 説明や問題が自然な日本語か |
「広告なし」は意外と大事
無料アプリでは、問題の合間に広告が表示されることがよくあります。画面いっぱいの広告や、閉じるボタンが小さい広告は、高齢の方が操作に迷う原因になりがちです。「脳トレ アプリ 広告なし」で探す方が多いのもうなずけます。無料アプリの料金のしくみや広告の有無の見分け方は、無料で使える高齢者向け脳トレアプリで詳しく比べています。
無料体験と解約方法を確認する
月額や年額のサブスクリプション型アプリには、無料体験がついているものがあります。始める前に、体験期間がいつ終わるのか、どこから解約できるのかを確認しておきましょう。iPhoneやiPadでの解約手順は、Appleのサポートページにまとまっています。
iPhone・iPadを見やすく設定する
アプリを入れる前に、端末そのものを見やすくしておくと、脳トレもぐっと快適になります。
- 文字を大きくする。 「設定」から文字サイズを変更できます。手順はAppleのフォントサイズ変更のページで確認できます。
- iPadを使う。 画面が大きいぶん、問題も文字も見やすくなります。テーブルに置いて使える点も便利です。
- 明るさを調整する。 暗すぎず明るすぎない明るさにすると、目の疲れが和らぎます。
- ホーム画面を整理する。 よく使うアプリを最初の画面にまとめておくと、迷わずに開けます。
高齢の方がつまずきやすいポイント
アプリそのものより、周りの操作でつまずくことも少なくありません。事前に知っておくと、ご本人もご家族も安心です。
- アプリの入れ方。 App Storeでの検索やダウンロードに慣れていない方は、最初だけご家族が手伝うとスムーズです。
- 通知の許可。 「通知を許可しますか」と聞かれたとき、どちらを選べばよいか迷う方が多いものです。お知らせが欲しいかどうか、一緒に決めておきましょう。
- 購入ボタン。 有料版への案内が表示されたときに、うっかり押してしまわないか心配な場合は、購入の前に確認が出るかどうかも見ておくと安心です。
- 戻り方。 前の画面に戻る方法、アプリを閉じる方法を一度だけ一緒に練習しておくと、迷ったときに落ち着いて操作できます。
最初の1週間の始め方
新しいアプリに慣れるまでは、張り切りすぎないのがコツです。
- 1日目。 ご家族と一緒に開いて、どんな問題があるか眺めてみます。
- 2日目から3日目。 朝食の後など、決まった時間に5分ほど取り組みます。
- 4日目から7日目。 好きな問題、苦手な問題がわかってきたら、続けたいかどうかを考えます。
1週間ほど使ってみて「楽しい」と感じられれば、そのアプリが合っている証拠です。合わなければ無理に続けず、別のアプリや紙のパズルに切り替えてかまいません。
iPhoneとiPad、どちらで使う?
ふだん持ち歩いているiPhoneは、すき間時間にさっと取り組めるのが良いところです。一方、iPadは画面が大きく、文字や図柄が見やすいので、居間のテーブルでじっくり取り組みたい方に向いています。老眼が気になる方、指先の細かい操作が苦手な方は、iPadの方が快適に感じることが多いでしょう。両方お持ちなら、その日の気分や場所で使い分けるのもよい方法です。
ご家族がアプリを勧めるときのコツ
離れて暮らす親に脳トレアプリを勧めたいと考えるお子さん世代も多いと思います。そのときは、次のことを心がけてみてください。
- 一緒に試す。 帰省のときや電話をしながら、最初の数問を一緒に解くと安心して始められます。
- 「物忘れ対策」と言わない。 「面白いパズルがあったよ」くらいの軽い誘い方の方が、ご本人も受け入れやすいものです。
- 無理強いしない。 気に入らなければ、紙のパズルや会話で楽しむ方法もあります。
- 様子の変化は別に考える。 物忘れが気になる場合は、アプリで様子を見るより、まず医療機関や相談窓口に相談しましょう。詳しくは親の物忘れがひどいと感じたらをご覧ください。
高齢の方のために作られたアプリの例
ひとつの例として、私たちが作っているSilverMindをご紹介します。iPhone・iPad向けの脳トレアプリで、大きな文字と大きなボタン、1画面にひとつのことだけを表示する作りで、時間に追われることはありません。毎日「記憶力」「スピード」「注意力」「言葉」「思考力」の中から3つのトレーニングを選んだ約6分のメニューが用意され、問題はその方の腕前に合わせて調整されます。一部のトレーニングは期間の制限なし・広告なしで無料で使え、すべてのトレーニングが使えるSilverMind Premium(月額または年額)は7日間の無料体験から始められ、iPhoneの設定からいつでも解約できます。日本語を含む14言語に対応しています。
アプリだけに頼らない
脳トレアプリは便利ですが、毎日の楽しみのひとつにすぎません。散歩や体操、人とのおしゃべり、趣味の時間とバランスよく組み合わせることが大切です。紙や会話で楽しめるアイデアは高齢者の脳トレ:家で楽しめる簡単なアイデア集で紹介しています。



