「脳トレアプリを無料で試してみたい」「でも広告だらけのものは困る」。高齢の方ご本人からも、親に勧めたいご家族からも、よく聞く声です。
無料の脳トレアプリと一口に言っても、お金のしくみはアプリによってかなり違います。この記事では、無料アプリをタイプ別に整理し、App Storeでの見分け方と、それぞれがどんな方に向いているかをまとめました。アプリ選び全般のチェックポイントは高齢者向け脳トレアプリの選び方と使い方で解説していますので、あわせてご覧ください。
「無料」にはいくつかの種類があります
アプリの開発や更新にはお金がかかるため、無料アプリの多くは何らかの方法で収入を得ています。大きく分けると、次のようなタイプがあります。
| タイプ | お金のしくみ | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 完全無料・広告あり | 広告の表示で運営 | 問題の合間に広告が出ることがある |
| 一部無料+有料プラン | 基本は無料、全機能は月額・年額 | 無料で使える範囲を確認する |
| 無料体験つきサブスク | 一定期間は無料、その後は有料 | 体験終了日と解約方法を確認する |
| 買い切り | 最初に一度だけ支払う | 試せる部分が少ないことがある |
どれが良い・悪いということではありません。「何にお金がかかるのか」がはっきりしていて、ご本人が納得できるしくみかどうかが大切です。
高齢の方こそ「広告なし」を気にしたい理由
広告そのものが悪いわけではありませんが、高齢の方には次のような戸惑いが起きやすくなります。
- 画面いっぱいの広告に驚く。 問題を解いている途中で急に画面が切り替わると、何が起きたのかわからなくなることがあります。
- 閉じるボタンが小さい。 右上の小さな「×」を探せず、広告を押してしまうことがあります。
- 別のアプリやお店のページに移ってしまう。 戻り方がわからず、そのままアプリをやめてしまう方もいます。
ご本人が操作に慣れていて、広告が出てもさっと閉じられるなら、広告ありの無料アプリでも問題なく楽しめます。迷いやすい方の場合は、広告の出ない範囲で使えるアプリを選ぶと安心です。
App Storeで料金のしくみを見分ける方法
アプリを入れる前に、App Storeのページで次の点を確認しておきましょう。
- 「入手」ボタンの近くの表示。 「アプリ内課金あり」と書かれていれば、有料プランやアイテムがあるということです。
- アプリ内課金の一覧。 ページの下の方にある「アプリ内課金」の欄で、どんな商品がいくらかを確認できます。
- 説明文。 無料でできる範囲、有料プランの内容、広告の有無が書かれていることがあります。
- プライバシーの欄。 「サードパーティ広告」に関するデータの記載があれば、広告を表示するしくみがあると考えてよいでしょう。
サブスクリプションの解約方法は、Appleのサブスクリプションを解約するページにまとまっています。意図しない購入をしてしまったときは、返金手続きのページから返金をリクエストできます。
タイプ別のアプリの例(2026年10月時点)
ここでは、App Storeのページで確認できた事実だけをご紹介します。内容や価格は変わることがあるので、入れる前に最新の情報を確かめてください。
完全無料タイプの例:毎日 脳トレ
nullhouse Inc.の「毎日 脳トレ」は、App Storeで無料のiPhone・iPad向けアプリです。説明文によると、記憶力、注意力、計算力などのミニゲームが多数収録されていて、スタンプやメダル、時刻を知らせるアラームなど、毎日続けるためのしくみがあります。App Storeのページにはアプリ内課金の一覧が見当たらず、プライバシーの欄には「サードパーティ広告」に関するデータの記載があります。
一部無料+有料プランの例:PEAK
Synaptic Labs Ltdの「PEAK(ピーク)- 脳トレ」は、無料で始められ、有料の「Peak Pro」にするとすべてのゲームが使えるようになるしくみです。App Storeのアプリ内課金の欄には、約360円から約4,200円まで、期間の違う複数のプランが並んでいます。日本語を含む14言語に対応していて、記憶力、注意力、言語力など幅広い種類のゲームがあるのが特長です。
広告なし+有料プランの例:SilverMind
最後に、私たちが作っているアプリもご紹介します。SilverMindは、高齢の方のために作ったiPhone・iPad向けの脳トレアプリです。広告は表示されません。「ペアさがし」「スピードタップ」「集中」「計算ラッシュ」など一部のトレーニングは、期間の制限なしで無料で使えます。すべてのトレーニングが使えるPremium(月額または年額)は7日間の無料体験から始まり、iPhoneやiPadの設定からいつでも解約できます。
文字はロービジョンの方にも読みやすいように作られた書体「Atkinson Hyperlegible」で大きく表示され、1画面にひとつのことだけ、時間に急かされない作りです。毎日「記憶力」「注意力」「スピード」「言葉」「思考力」の中から3つを組み合わせた約6分のメニューがあり、難しさは腕前に合わせて変わります。日本語を含む14言語に対応していますが、Android版はありません。
こんな方に向いています
それぞれのタイプには、合う方・合わない方があります。
- 完全無料・広告ありのタイプ は、お金を一切かけたくない方、スマホ操作に慣れていて広告が出ても落ち着いて閉じられる方に向いています。ゲームの種類が多いアプリも多く、いろいろ試したい方にも楽しめます。
- 一部無料+有料プランのタイプ は、まず無料で試して、気に入ったら続けたい方に向いています。種類の多さや詳しい成績の記録を重視する方には、PEAKのような幅広いアプリが合うかもしれません。
- SilverMindのように広告なしで、高齢の方向けに作られたアプリ は、大きな文字で落ち着いて取り組みたい方、操作に迷いやすい方、ご家族が安心して勧めたい場合に向いています。一方、Androidをお使いの方や、ゲームの種類やにぎやかな演出を重視する方には、ほかのアプリの方が合うでしょう。
ご家族が勧めるときのひと工夫
- 最初の設定は一緒に。 入れたあとの通知の許可や、有料プランの案内が出たときの対応を一緒に確認しておきます。
- 文字を大きくしておく。 フォントサイズの変更方法を使えば、アプリ以外の画面も見やすくなります。
- 無料体験は終了日をメモ。 カレンダーに書いておくと、続けるかどうかを落ち着いて決められます。
- 合わなければ別の方法で。 アプリにこだわらず、クイズや計算など紙や会話でできる脳トレもあります。答え付きの簡単な脳トレクイズや計算の脳トレも参考にしてください。
まとめ
無料の脳トレアプリを選ぶときは、「無料かどうか」だけでなく、広告があるか、有料プランで何が増えるのか、無料体験のあとはどうなるのかを確かめることが大切です。ご本人が気持ちよく続けられるものがいちばんのおすすめです。
なお、脳トレアプリは楽しく頭を使うための道具で、物忘れの診断や治療をするものではありません。物忘れが急に増えたなど気になる変化があれば、かかりつけ医に相談してください。



