計算は、高齢の方の脳トレとして昔から親しまれています。答えがはっきりしていて達成感があり、紙と鉛筆さえあればすぐに始められるのが良いところです。買い物やお金のやりくりなど、暮らしの場面とつながっているのも魅力です。
この記事では、高齢の方が楽しめる計算の脳トレを、やさしい順に答え付きでご紹介します。あわせて、暮らしの中でできる計算遊びと、無理なく続けるコツもまとめました。
計算の脳トレで大切なこと
計算の脳トレは、速さを競うものではありません。次の3つを意識すると、気持ちよく続けられます。
- 正確さを優先する。 時間を計るより、ひとつずつ確実に解くことを大切にします。
- 少しだけ簡単なところから。 全問正解できるレベルから始め、慣れてきたら一段階上げます。
- 大きな字で書く。 数字が小さいと読み間違いが増えます。ノートや紙に大きく書きましょう。
脳トレの効果については研究結果がまちまちで、練習した計算は上手になりやすいものの、日常生活全体への広がりは限られるとされています。「頭を使う楽しい時間」くらいに考えるのがちょうどよいでしょう。
レベル1:一桁の足し算・引き算
まずは肩慣らしです。テンポよく解いてみましょう。
- 3 + 4
- 6 + 2
- 9 − 5
- 8 − 3
- 5 + 4
答え: 1. 7 2. 8 3. 4 4. 5 5. 9
レベル2:繰り上がり・繰り下がり
少し考える問題です。指を使ってもかまいません。
- 8 + 7
- 9 + 6
- 14 − 8
- 23 + 19
- 50 − 27
答え: 1. 15 2. 15 3. 6 4. 42 5. 23
レベル3:虫食い算
□に入る数字を考えます。答えから逆にたどるので、いつもと違う頭の使い方になります。
- □ + 5 = 12
- 15 − □ = 9
- □ × 3 = 18
- 4 × □ = 28
- □ − 6 = 10
答え: 1. 7 2. 6 3. 6 4. 7 5. 16
レベル4:お金の計算
暮らしに近い問題は、取り組む意味が感じられて楽しいものです。
- 1,000円札で680円の買い物をしました。おつりはいくらでしょう?
- 1個120円のりんごを3個買うと、いくらでしょう?
- 260円のパンと150円の牛乳を買い、500円玉で払いました。おつりはいくらでしょう?
- 1,000円札で、350円のお弁当を2個買いました。おつりはいくらでしょう?
答え: 1. 320円 2. 360円 3. 90円 4. 300円
本物の小銭を並べながら解くと、手も動かせてより身近に感じられます。
レベル5:三桁の計算
慣れてきた方向けです。筆算で落ち着いて解いてみましょう。
- 125 + 238
- 400 − 165
- 356 + 247
- 702 − 318
答え: 1. 363 2. 235 3. 603 4. 384
暮らしの中でできる計算遊び
プリントやドリルがなくても、計算の機会は身の回りにたくさんあります。
- 買い物の合計を予想する。 レジに並ぶ前に、かごの中の合計をざっくり計算してみます。レシートで答え合わせができます。
- カレンダー計算。 「今日が月曜日なら、10日後は何曜日?」(答え:木曜日)のように、曜日や日付を数えます。
- トランプで10を作る。 場に並べたカードから、足して10になる2枚を探します。お孫さんとも一緒に楽しめます。
- 車のナンバーで遊ぶ。 散歩中に見かけた4つの数字を全部足してみます。
- 歩きながら数える。 国立長寿医療研究センターが開発したコグニサイズは、ステップや歩行などの運動と、計算やしりとりなどの頭の課題を組み合わせた取り組みです。転ばないよう、安全な場所で無理のない範囲で行いましょう。
アプリで計算の脳トレをする
スマホやiPadのアプリなら、問題を自分で作る手間がなく、腕前に合わせて難しさを変えてくれるものもあります。選ぶときは、数字が大きく見やすいか、制限時間で急かされないかを確かめましょう。
たとえば私たちが作っているSilverMindには、計算をテーマにした「計算ラッシュ」や、お金の計算をテーマにした「お会計」というトレーニングがあります。「計算ラッシュ」は期間の制限なし・広告なしで無料で使えます(「お会計」を含むすべてのトレーニングは有料のPremiumで使えます)。大きな文字で1画面にひとつのことだけを表示し、難しさは腕前に合わせて調整されます。無料で使える脳トレアプリの見分け方は無料で使える高齢者向け脳トレアプリで詳しくご紹介しています。
無理なく続けるコツ
- 時間を決める。 朝のお茶のあとなど、毎日の流れに組み込むと忘れにくくなります。
- 丸つけを楽しむ。 正解に大きな丸をつけると、それだけで気分が上がります。
- 間違いを責めない。 ご家族が見守る場合も、間違いを指摘するより、できたところを一緒に喜びましょう。
- ほかの脳トレも混ぜる。 計算ばかりだと飽きてしまいます。言葉や記憶を使う簡単な脳トレクイズや、日々の工夫を紹介した高齢者の記憶力トレーニングと日替わりで組み合わせてみてください。
まとめ
計算の脳トレは、簡単な問題を、正確に、楽しく続けることがいちばんのコツです。一桁の足し算から始めて、虫食い算やお金の計算へと少しずつ広げてみましょう。
なお、以前は簡単にできていたお金の計算やおつりのやりとりで戸惑うことが増えた場合は、計算練習で様子を見るのではなく、かかりつけ医に相談してください。物忘れと年齢による変化の違いについては物忘れと認知症の違いでも解説しています。



